科楽な豆知識Science Trivia

サティスタHP「科学な雑学」は、2023年2月1日より はかせラボ「科楽な豆知識」としてリニューアルいたしました。

2023.02.01

からだの洗いすぎで臭くなる?

汗をかくと「臭い」が気になり、一刻も早くシャワーを浴びたくなりませんか?
ヒトのからだの臭いは、どのような「細菌」が皮膚にいるのかによって決まります。
ふつう、健康なヒトの皮膚にいる細菌のほとんどは「表皮ブドウ球菌」で、「常在菌」とも言われます。
表皮ブドウ球菌は皮脂や汗を食べ、弱酸性のよい香りをつくる脂肪酸を産生し、ヒトの皮膚を酸性に保っています。

しかし、皮膚には表皮ブドウ球菌だけがいるわけではありません。黄色ブドウ球菌や真菌などの悪玉菌は、悪臭の脂肪酸やアンモニアをつくりだし、不快な臭いの元になります。 表皮ブドウ球菌が皮膚を酸性に保っているおかげで、黄色ブドウ球菌や真菌が皮膚で増殖することを防いでくれているのです。
「不快な臭い」をなくすためには、皮膚の悪玉菌を少なくすればよいのですが、注意が必要です。なぜなら、からだを洗えば洗うほど「不快な臭い」がなくなるというわけではないからです。
シャワーを浴びるだけで表皮ブドウ球菌は約90%が洗い流されてしまいますが、一日もすればまた同じ数まで増殖することができます。しかし、からだをゴシゴシと強く洗いすぎてしまうと、ほぼすべての表皮ブドウ球菌が洗い流されてしまい、同じ数まで増殖するのに時間がかかってしまいます。表皮ブドウ球菌が増殖しようとしている間に、悪玉菌が増殖し「不快な臭い」の元を作りだしてしまうのです。
何事もやりすぎはいけないということです。みなさんもからだの洗いすぎには注意してください。

科楽な豆知識の一覧に戻る